学生の方へ
インフラの老朽化
社会インフラを次世代に引き継ぐための工学を探究する研究室として本研究室は設置されました。
日本の橋梁、トンネル、上下水道、港湾などの社会インフラは、高度経済成長期に整備された施設が多く、半世紀を迎えて老朽化が一斉に進んでいます。
国土交通省の推計では、2040年には道路橋の約75%、トンネルの約65%が「建設後50年以上」となる見込みです。

今後の日本では、社会インフラの性能を適切に維持し、安全を確保し続けることが重要な課題になります。
“治す”技術が中心となる時代へ
新しい構造物をつくるだけでは、社会は支えられません。
既存の構造物の状態を正しく把握し、必要な補修・補強を行い、性能を回復・延命させながら、安全に使い続ける——
この「治す」「活かす」ための技術が、これからの土木工学の大きな柱になります。
補修・補強は派手さこそありませんが、構造物の価値を守り、人々の暮らしを支えるために不可欠な分野です。
本研究室が提供する環境
当研究室は立ち上げ期にあり、柔軟性の高い環境で学ぶことができます。
以下のような特色を備え、研究に取り組みやすい場を整えています。
- 実物大橋梁模型「N2U-BRIDGE」を活用した実践的な教育・研究
- 官公庁、高速道路会社、民間企業との技術連携を通じた実務接点
- コンクリート構造物の診断・補修設計・性能回復技術の体系的な学習
- 新しい研究室だからこそ可能な、研究テーマの選びやすさや挑戦のしやすさ
老朽化する社会インフラの未来を支えるためには、構造物の状態を正確に把握し、劣化要因や機構を理解し、その結果に基づいて適切な補修・補強工法を選定・適用できる力が求められます。
本研究室では、こうした“評価・診断・対策”の一連のプロセスを体系的に学び、長寿命化に資する技術を深めるための基盤を整えていきます。
社会の基盤を次の世代へつなぐために、補修・補強工学の可能性を、共に探究してみませんか。